仙台無駄学

「で?」を楽しむ

食べログにも掲載されない地元の寿司屋に足を運んだら

恐る恐る扉を開けると、そこは人の家のリビングだった。

 

 

私は友人のK君と一緒にずっと気になっていた寿司屋でランチをすることにした。
そのお店は地元にずっと存在し、そして誰も行ったという情報を聞かない町の寿司屋宮古寿司」

 食べログでは星もつかず一切情報がない。

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ガラガラガラ....

扉を開けると、右手にカウンターと中に立つ強面の大将、左手には座敷で円卓を囲うようにテレビを見て談笑する女性3人。
その女性の中の1人が僕たちに向かって言った。

 

「お客さんですか?」

 

入っていけないところへ来てしまったと思った。
僕たちはまるで無重力空間に放り出されたような心地だった。
「ちょっと待ってね」と女将さんが慌ただしくカウンターに残るジョッキと皿を片付けるうちも大将はじっと黙って立っている。
席に座ってランチ寿司1人前(900円)と1.5人前(1,200円)どちらにしようか悩んでいると大将が「1.5人前がオススメですよ」と重い口をようやく開けてくれた。
それに安堵しながら僕たちは1.5人前を頼んだ。
「冷たいお茶でいい?」と女将に聞かれ、はいと答えると目の前にジョッキで麦茶がでてきた。

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続けて女将さんが「あのさ、お兄さんたち賢こそうだからちょっと見てくれる」といいタブレット端末のカメラが使えないのを直して欲しいとお願いされた。

僕らは今寿司を食べに来ているのに。

あれこれ試してもダメだったのでここで追記

Xperia Z5、カメラが起動できない・Youtubeなどの動画が再生できないなどの不具合 | スマホ評価・不具合ニュース

多分この症状なのでもし見てたらここを参考にしてくださいね。

 

閑話休題

店の奥に仙台四郎(商売繁盛の神様)が飾ってあったので仙台四郎についてK君と話していると大将が「あぁ、この人ね」とこちらの会話に入ってきた。すると女将も混ざってきて「でもさ、この人普段からち◯こ出して歩ってたみたいよ」と模型の写真のち◯こを指差した。

僕らは今寿司を食べに来ているのに。

 

 

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仙台四郎のち◯こ話を終え、カウンターからまず納豆巻き一本が出てきた。
どうやらランチ寿司は大将のお任せでネタがでてくるようだ。
シンプルな納豆巻だが、わさびの効き方、海苔の食感とシャリの柔らかさがどれも絶妙で美味しい。f:id:nazison:20160907192725j:plain

寿司屋の看板卵焼き。
中身がギュッと詰まってて食べ応えがあり、甘さもちょうどいい。
続けていくら、とびっこ、赤身が出てきた。

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いくらととびっこの異なる弾け方を楽しみながら美味しくいただく。
特に本マグロの赤身は文句なしでうまかった。

 

このお店は何年くらい経つんですか?と尋ねると

「う〜ん、来年で40年ね」「そうそう」と答えてくれた。

そんな長いとは思わず驚くとさらに

宮古って沖縄の宮古島からきてるのよ、この人(大将)が宮古島出身だから」

「そう、だからテレビでよく世界の果てで日本人が頑張ってるやつあるけど、あれおれもそうだよな〜って思うんだよ(笑)」

確かに、40年前に沖縄の宮古島から宮城の片田舎に越して寿司屋を始めることは壮大な冒険だったに違いない。
そこから大将と女将のエンジンがかかったように寿司を食べる僕たちにたくさんお話しをしてくれた。
しかしなんだろうか、私はこの大将と女将の風貌と軽妙なトークに既視感を抱き始めていた。

 

答えはすぐに出た。

 

 


そうか、この感じは宮川大助・花子だ。

 

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続けて40年前のこの地域の話や大将の趣味のマラソンの話。
時折二人が同時に好き勝手喋り始めただのノイズが流れる時間もあったが、入った時の印象とは裏腹にとても気さくな方だった。

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会話をしながらも出てきたイカ、かんぱち、赤身に舌鼓を打つ。うまい。

 

会話は大将と女将の海外旅行の話になり、PM2.5鳥インフルの時期に格安で4泊5日中国に行った時のことや、「海外のトイレはひどい」という話題でまた2人が同時に喋り出し「ふいた紙は流さないでゴミ箱に捨てるんだから」「あれ汚いだろぉ」などと言う。

僕らは今寿司を食べに来ているのに。

 

「ほら、せっかく若い子が来てくれたんだから何かサービスで出しなよ」と女将が大将に言うとおまけで握りを出してくれた。

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まさかの中トロッッッッッ!!!!!!

 

これ以上ない幸せな味だった。

さらに食後には女将からのサービスで、

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パナップが出てきた。

 

 

なんだろうか、祖父母の家に来たような居心地と至れり尽くせりのサービス。
僕らの地元にこんなに人情味溢れ美味しい寿司屋があるなんて知らなかった。

 

大将が言ってた。
「若者に回転寿司が本物だと思われると嫌、本物の握りを食べて欲しい」
町の小さな寿司屋だけど、職人としての気質と味は一流だ。
このお店には地方からもたくさんお客さんが来てくれるといい、中には楽天の選手も来るそうだ。
だから面白い話題には事欠かないらしく「また来たらいっぱい喋ってあげるからね」と女将に言われた。
寿司屋寄席とでもいうべきか食後から1時間ずっとおしゃべりをしていた。

そんな愉快なお二人だが大将にはまだ夢があるそうだ。
東京五輪が見たい」
人生のうちに2回もオリンピックを見られるなんてないからその頃までは生きていたいとのこと。
続けて女将が「あんたなら大丈夫よ、だって宮城沖地震東日本大震災2回も経験してるでしょ、だからオリンピックも2回見れる」と説得力があるようでないフォロー。

本当に楽しい時間だった。
寿司は絶品で居心地もよく、若者以上に元気な大将と女将。
また友達を連れて食べに来ると約束し、お会計をお願いした。

 

「はい、じゃあお二人ともそれぞれ、12.000ウォンです!」

 

 

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